自動車用鉛バッテリーの再生と回復 - 太陽光発電でサルフェーションを除去する

太陽光発電に自動車の廃バッテリーを使うと安上がりです。

しかし、中古のバッテリーは充放電が不十分なので長く使えないことも多い。

鉛バッテリーの劣化の原因はサルフェーション(非伝導性結晶皮膜)の結晶が電極板の表面を覆ってしまい電解液の中に溶け込まなくなってしまう事によるものです。

そこで、市販されているサルフェーション除去器を使ってバッテリーの再生と回復にチャレンジしてみました。

スポンサーリンク

サルフェーションが内部抵抗を増大し充放電を妨げるのが原因です。

つまり、そのサルフェーションを除去することができればバッテリーは再び性能を回復して充放電をすることができるようになります。

ナイトコア

サルフェーション除去器はサルフェーションに一定のパルスを加えることで分解して電解質に戻し、バッテリーを再び活性化させます。

そうすることにより、バッテリー本来の性能を引き出すことができます。

色々なメーカーからサルフェーション除去器が発売されていますが、とりあえず価格が安くて期待できそうな商品をチョイス。

購入した商品は【ナイトコア バッテリー寿命延命装置】。

この商品は本来、新品のバッテリーに取り付けてサルフェーションが付きにくくする装置のようですが、死にかけたバッテリーでも再生するかどうか実験してみます

サルフェーション除去器 ナイトコア バッテリー寿命延命装置

対応バッテリー:12V鉛バッテリー
動作開始電圧:13.6V
パルス電圧:35V
パルス周波数:2.5KHz
デューティー比率:12.5%
付属品:ワニグチクリップ
ケース:ABS(耐熱)
本体サイズ:約60×43×28mm
重さ:約70g
コード長:約25cm
生産国:中国

購入時の価格は2,390円。

【関連商品・プロモーション】

取り付け方法

取り付け方法はいたって簡単。サルフェーション除去器のコードを説明書通りにバッテリーのプラス端子とマイナス端子に取り付けするだけです。

昼間、太陽光発電をしていてバッテリーの電圧が13.6Vになると装置のスイッチが自動的に入って動作を開始します。

そして、夕方になり電圧が13Vを下回るとスイッチがオフになります。

ほとんど、放置状態なので手間はかかりません。

太陽光発電で劣化したバッテリー
サルフェーション除去器の取り付け

トラブル発生

後日、ダイオードを使って並列化したバッテリーにサルフェーション除去器を取り付けた時にハプニングが起こりました。

通常、チャージコントローラーはバッテリーの電圧に対応した電圧で充電を行うので、並列化したバッテリーの内でひとつだけダイオードを外さなければなりません。

しかし、最初はそのことに気付かずにすべてのバッテリーにダイオードを取り付けていました。

そして、バッテリーにチャージコントローラーを接続すると、チャージコントローラーがダイオードを取り付けたバッテリーの電圧を感知できず(サルフェーション除去器で誤作動を起こして?)ソーラーチャージャーの負荷接続端子に大電流が流れました。

幸い、チャージコントローラーの負荷接続端子には電圧計しか取り付けていなかったので、電圧計が壊れただけで済みました。

でも、部屋中が煙だらけになりましたが…

サルフェーション除去器にダイオード制御のバッテリーを接続すると危険

サルフェーション除去器をチャージコントローラーと接続したバッテリーに取り付ける時は要注意です。

大電流が流れて壊れた電圧計

ナイトコアで再生

まず、初めにバッテリーの比重を測定してみます。

通常、比重は気温20℃で1.25以上あれば良いそうです。

バッテリー液が、かなり少なくなっているようでしたので、150円くらいの安いバッテリー強化液を買ってきて補充しました。

太陽光発電で弱ったバッテリーの比重を測る

アナログ的な比重計を使います。

太陽光発電で弱ったバッテリーの比重を測る比重計

明らかにレッドゾーンなのでアウトの状態です。1.18くらいかな。

太陽光発電で弱ったバッテリー

【関連商品・プロモーション】

ナイトコア 6か月目

サルフェーション除去器を取り付けてから1か月目、3か月目にチェックすると少しずつ比重が回復していることが分かりました。

そして、6か月目にはやっとイエローゾーンまで回復。気温が低いと比重が高くなることがあるようですが、この日の気温は12℃ほど。

サルフェーション除去器にダイオード制御のバッテリーを接続すると危険

ナイトコア 12か月目

一年間、サルフェーション除去器を取り付けているとやっとグリーンゾーン手前まで比重が回復しました。

ほとんど、装置を取り付けてから放置状態でしたので手間はかかりません。

ただ、安いサルフェーション除去器でも時間をかければ、それなりのバッテリーの回復の効果があることが分かりました。

※しかし、10Vまで下がってしまったバッテリーはいくら電圧を上げて充電しても、まったくダメでした。 一時的に電圧が13Vまで上がっても、充電を止めるとすぐに10Vまで下がってしまいました。

12V前後の電圧をキープしているバッテリーなら再生できる可能性あり。

    ポイント
  • 装置は日中のみ起動する
  • 充電のみで使用はしない
  • 基本は放置する
  • 1か月に1度チェック
  • 外して2時間後に電圧計測

その後、約5年間稼働してくれましたが、とうとう起動しなくなりました。

サルフェーション除去器にダイオード制御のバッテリーを接続すると危険

CPTDCL

次に購入したのは、CPTDCLというメーカーの「12V 鉛蓄電池 サルフェーション除去装置」。

入力電圧:DC12V
ピーク電圧:20V
定格電流:20mA(公称入力電圧12Vdc)
周波数範囲:3.7 KHz
① 本製品は12 V鉛蓄電池専用デサルフェーターです。
② 構造的に壊れているバッテリーは復元することができませんので、予めご了承ください。
③ 赤い線は正極に接続し、黒い線はマイナスに接続します。逆に接続することは固く禁じられており、逆接続するとFETが飛び、回路基板も破損して使用できなくなります。

今回購入した装置は電圧に関係なく、常時作動するようなので効果が期待できそうです。

商品のレビューを見ると12Vの前半まで電圧が下がると装置が停止したという方もいるようでしたが、私が使っているものは11Vを切っても起動したままになっていました。

購入時の価格は1,880円。

夜間は起動を止めておきたいので光センサーを使って暗くなったら電源が切れるようにしています。

CPTDCL 12V 鉛蓄電池 サルフェーション除去装置

CPTDCLで再生

知人に10.97Vまで下がった廃バッテリーを頂いたので、再生できるかどうか実験してみました。

実験するのは密閉型バッテリーなので比重やバッテリーの液量を調べることができない。

密閉型バッテリーを再生

バッテリーのプラス端子とマイナス端子に配線を繋ぎ、サルフェーション除去装置を取り付けます。

このバッテリーは電圧が低くなっているので負荷側には電気製品を取り付けせずに、太陽光発電で充電のみしました。

配線にはダイオードを取り付けているので、このバッテリーに充電された電流は逆流しません。

CPTDCL サルフェーション除去器を取り付け

太陽光発電での充電中は13V以上の電圧になっていますが、夜になると11Vまで下がってしまいます。

一か月後になっても電圧は変わらず、11V前後のままでした。

サルフェーション除去器を取り付けても11Vのまま

CPTDCL 1か月目

このバッテリーを取り付けてから1か月、次第に太陽光発電システム全体の充電効率が落ちている事に気付きました。

そして、ある快晴の日。

いつもなら、お昼ごろになると太陽光発電で充電されたバッテリーの電圧が13V以上になっているのに、12.3Vと低い数値になっています。

これは何か変だ。

充電中のバッテリーを調べると、サルフェーション除去器を取り付けているバッテリーだけが異常に熱い。 バッテリーの側面や端子は素手では触れないほどの熱さになっている。

どうやら過充電で過熱してしまった様子。

放って置いたら、危うく爆発するところでしたね。

その後、電圧を計測すると10V以下…

なので、今度からバッテリーを再生する際は密閉型ではなく、開放型バッテリーですることにしました。

また次回、再生できそうなバッテリーが手に入った時に実験することにします。

開放型バッテリーにサルフェーション除去器を取り付け

CPTDCL 3か月間

12月の終わりごろ、並列化しているバッテリーの中で一番低い電圧(12.62V)だったバッテリーにCPTDCLを取り付けてみました。

電圧の計測は毎回午後19:00に行うことにします。

このサルフェーション除去器は24時間作動しているので、接続時は電圧降下が生じて12.47Vまで下がっていました。

そして2か月後、CPTDCLを取り付けた状態でも12.64Vまで回復してきました。

3か月後にはCPTDCLを取り外した状態で12.93Vまで復活しました。今回は電圧のみの判断で比重は計測していません。

毎回同じ時間帯に計測しましたが、冬と春の気温差や日没時刻が変わっていることもあるので回復した要因は他にもあるかも知れません。

しかし並列化している6個のバッテリーの内、現在このバッテリーは3番目に高い電圧を維持しているので効果があったと言えるでしょう。

CPTDCLサルフェーション除去器を3か月間

インジケーター付バッテリー

鉛バッテリーには最初から液比重が分かるインジケーター付きのものがあります。

使用している充電システムで特に劣化したインジケーター付きのバッテリーを取り外し、電圧を計ってみると10.8Vまで低下していました。(2月19日)

インジケーターの中は真っ黒です。通常なら要交換レベル。

早速、CPTDCLを取り付けて充電&回復を開始します。

このバッテリーも回復中は逆流防止用のダイオード配線に接続して充電をするだけで、負荷側には接続しません。

インジケーター付バッテリー

2か月くらいは変化がありませんでしたが、3か月ほど経過するとインジケーターが緑色に変化しました。

3か月ほど経過するとインジケーターが緑色に変化

そのバッテリーをシステムから取り外し、2時間後に電圧を計測してみると12.79Vでした。(5月18日)

もちろん、新品のバッテリーと比較すると使用時間は短いですが、まだまだ十分使えるレベルまで回復しました。

通常なら10.8Vまで低下したバッテリーは回復しないことが多いのですが、今回は復活しましたね。

3か月間でバッテリーが回復
スポンサーリンク

スポンサーリンク

【太陽光発電】

自然災害が多発している今、再生可能エネルギーが見直されています。空地だった場所がいつの間にかソーラーパネルが敷き詰められて広大なメガソーラー発電所になっていたりします。

新興住宅街には屋根にソーラーパネルを設置して自家発電している新築住宅もあちこちで目につきますね。
灯油で使う石油ボイラーやストーブを撤去してオール電化にしている家庭も多いのではないでしょうか?

太陽光発電をしている家庭のほとんどは売電を目的として設置しているので、ちょっとポケットマネーで始めようかという訳にはいきません。

このページでは、オフグリッドのソーラー発電を自動車のバッテリーに蓄電して夜間に使用するといった独立型太陽光発電システムの制作について説明しております。

電気を扱うので取り扱いを間違えると火災や火傷などの危険を伴います。自己責任の上、十分ご注意願います。

スポンサーリンク

自動車用鉛バッテリーの再生と回復 - 太陽光発電でサルフェーションを除去する
この記事が気に入ったらシェアをお願いします!

【太陽光発電】

自然エネルギーが見直されている今、広大な空地だった場所がいつの間にかソーラーパネルが敷き詰められてメガソーラー発電所になっていたりします。

屋根にはソーラーパネルを設置して自家発電している新築住宅も目につきますね。
オール電化にしている家庭も多いのではないでしょうか?

どれも売電を目的として設置している太陽光発電なので、ちょっとポケットマネーで始めようかという訳にはいきません。

このページでは、オフグリッドのソーラー発電を自動車のバッテリーに蓄電して夜間に使用するといった独立型太陽光発電システムの制作について説明しております。

電気を扱うので取り扱いを間違えると火災や火傷などの危険を伴います。自己責任の上、十分ご注意願います。