太陽光発電でのバッテリー並列接続 - ダイオードと光センサーを使った並列化

今までバッテリーはそのまま並列で接続すれば問題無いと思っていましたが、どうもそれはあまり良くないということを最近知りました。

鉛バッテリーを普通に並列接続するとお互いのバッテリーを充電し合うという共食い状態が起こるらしい。

そして、このバッテリー間に流れる電流は循環電流と呼ばれています。

この循環電流が流れ続けることで、バッテリーを使用していなくてもどんどん電力を消費してしまいます。

以前までは、そんな循環電流なんてわずかなものだろうと思って、そのままバッテリー同士を並列接続していました。

しかし、ダイオードを使って循環電流を阻止してみて効果があったので、その方法をご紹介したいと思います。 ※鉛電池とLFP電池との並列化もオススメ!

循環電流

全く同じ規格の新品バッテリー同士なら並列接続してもそれほど問題ないのですが、私のように貰ってきた廃バッテリーを並列化する場合は少々問題があります。

それは、廃バッテリーは電圧や容量が様々なこと。

並列接続されたバッテリーは電圧の高い方から低い方へと電流が流れます。

そうすると、今度は放電して電圧が下がったバッテリーへと電流が逆流をするのです。

この電流が『循環電流』と呼ばれるもの。

このように、バッテリーを並列化するとバッテリー間に流れ続ける『循環電流』が原因でバッテリーの劣化が進んでしまうのです。

バッテリー間に流れ続ける循環電流

並列化の旧回路図

単純に考えて循環電流を阻止する為にはダイオードを使えば簡単だろうと思い、試してみることに。

でも、バッテリーからインバーターへ流れる大電流に耐えることができるダイオードなどあるのかと思い調べてみました。

するとアマゾンで意外とあっさり見つける事が出来ました。

購入したのは『15A ショットキー バリア ダイオード』。

ダイオードに15Aが流れた時に最大0.5Vの電圧降下が発生するようです。

ショットキー バリア ダイオードは順方向の電圧降下が低いので、さほど影響は無いでしょう。

このダイオードを使ってバッテリーの並列化をします。

ダイオードを使って循環電流を整流

まずは、改良前の回路図を紹介します。

単純にダイオードを使ってバッテリーを並列化しただけだと、いくつかの問題点が出てきました。

気になる問題点を以下に挙げてみます。

    並列化回路の問題点
  • ①電圧感知用のバッテリーが劣化
  • ②チャージコントローラーが夜間作動
  • ③ダイオードで電圧降下

※2018年9月10日(旧回路図)

画像をクリックで拡大

ここから、問題点について詳しく解説します。

①電圧感知用のバッテリーが劣化

チャージコントローラーは充電するバッテリーの電圧を感知して、そのバッテリーに適した充電を行う装置です。

なので、全てのバッテリーにダイオードを取り付けるとチャージコントローラーがバッテリーの電圧を感知することが出来ません。

チャージコントローラーを正常に作動させる為に一つのバッテリーだけ、ダイオードを外して電圧感知用として使います。

すると、このバッテリーはダイオードで制御されていないので、夜になると全てのバッテリーを充電するような形で負荷側に電流が流れるのです。

多少の電圧差なら良いのですが、極端に電圧が下がってしまったバッテリーがある場合は劣化したバッテリーを充電し続ける状態になります。

劣化したバッテリーはいくら充電をしても電圧が上がらないので、その内に電圧感知用のバッテリーも無くなります。

そして、電圧感知用のバッテリーが11Vを下回るとチャージコントローラーの安全装置が働き、太陽が昇って来ても充電が停止してしまう現象が起こってしまうのです。

②チャージコントローラーが夜間作動

チャージコントローラーは太陽光発電をしていない夜間でも作動しています。

そして、その電源は電圧感知用のバッテリーからのみ供給されています。

このバッテリーは使用する電気製品とチャージコントローラーの両方から電気を奪われるので、劣化が早くなるのです。

③ダイオードで電圧降下

バッテリーを並列化すると蓄電容量は増えるのですが、その分ダイオードの数も増えるのでダイオードによる電圧降下で充電効率が落ちてしまいます。

そう考えると、軽自動車用の小さなバッテリーをいくつも使うより大きな乗用車用のバッテリーを使って接続個数を減らす方が良いかも知れません。

あとダイオードの電圧降下分、充電効率と負荷の使用効率が落ちていると思います。

ダイオードを使ったバッテリー並列化の回路図

並列化の新回路図

上記の①と②の問題を解決するために、夜間になると電圧感知用のバッテリーとチャージコントローラーを切り離す回路を入れてみました。

ダイオードの無い電圧感知用バッテリーは昼夜問わず、チャージコントローラーから電力を奪われ続けているので、このバッテリーだけが11Vを下回ることがよくありました。

そこで、「チャージコントローラーとバッテリーとの配線間」に「夜間は自動で配線をカットするスイッチ」を入れる事で酷使されている電圧感知用バッテリーの劣化を最小限に食い止めてみました。

暗くなると、光センサースイッチで配線が切り離されるので、並列化されたバッテリーは全て同じ条件で電流が負荷側に流れるようになりました。

こちらのリンク先で詳しく紹介していますので、ご参考になさって下さい。

夜間自動オフスイッチを入れて、バッテリーを7個並列にした現在の回路図。

※2021年2月 5日更新

画像をクリックで拡大

そして、③の問題を解決するためには『理想ダイオード』を使う方法があります。

並列化した回路の一部分に導入してみました。

最近、理想ダイオードの価格が下がってきており、amazonショップでは安いもので600円台で販売されています。※2023年10月の情報

私は、メルカリショップで安く売られていた新品の理想ダイオードを見つけて購入しました。

15A 理想ダイオード

この理想ダイオードのスペックは以下になります。

【スペック】

動作電圧:3~28V
動作電流:最大15A
重量:(約)5g
サイズ:(約)横23×縦28mm

IN 側にプラス端子とマイナス端子、OUT 側にもプラス端子とマイナス端子があります。

IN 側とOUT 側のマイナス端子をテスターで測ると「導通あり」でしたので、どちらか一方のマイナス端子だけにバッテリーのマイナス端子を接続します。

メルカリで買った15A 理想ダイオード

では、並列回路に接続した理想ダイオードの電圧降下を計ってみます。

巷では理想ダイオードは電圧降下が、ほとんど無いと言われていますが商品によっては様々のようです。

今回、手に入れた理想ダイオードの場合は回路に組み込んだ時の電圧降下は0.03~0.05Vでした。

15A 理想ダイオード

ショットキー バリア ダイオードの場合は最大で0.5Vも電圧降下があるので、私的には満足しています。

ただ、理想ダイオードが安くなったとはいえ、1個30円のショットキー バリア ダイオードと比較すると費用対効果を考えてしまいますよね。

理想ダイオードを通った先の電圧も13.23V

充電方式が違うカーバッテリーとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの並列化については、以下のリンク先で紹介しています。

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価格が安いので当たり外れがあると思いますが、今回使用したものと同タイプの理想ダイオードです。

バッテリー間のケーブル

ここからは、バッテリー並列化の配線方法を紹介します。

バッテリーを並列化するにあたり、バッテリー同士を接続するケーブルを選定します。

ソーラーパネルで発電した電流を出来るだけロスが無いようにバッテリーに充電するには電気抵抗を少なくし、太く短く配線するのが良いと思います。

そして、配線ミスを無くす為に極性が分かるように色分けしたい。

そこで、自動車用のブースターケーブルを購入しました。

【BAL ブースターケーブル 100A 5M】

許容電流:100A
断面積:13.06sqmm
芯線構成:φ0.31×173
全長:5m
芯線材質:CCA
被膜材質:CPVC
質量:1145g

購入時の価格は1,582円。

 BAL ( 大橋産業 ) ブースターケーブル 100A 5M

赤コードと黒コードの合わせた長さは10メートルあるので、1m辺りは158円になります。

断面積は太く、14sqの電線ケーブルとほぼ同等の太さがありそうです。

 BALブースターケーブル 100A 5M

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ダイオードを使って整流

バッテリーに接続しているケーブルは14sqと太いので、ダイオードとの接続はハンダ付けを行いました。

より線がバラバラにならないようにビニールテープで保護した後は結束バンドで固定。

14sqケーブルとダイオードはハンダ接続
14sqケーブルとダイオードはハンダ接続して結束バンドで固定

しかし、ハンダが上手く付かない事があったので、その後はリングスリーブを使って圧着しました。

使用したのはリングスリーブの中サイズ。

14sqケーブルとダイオードはリングスリーブを使って圧着

ケーブルのより線がリングスリーブの中に納まります。

ケーブルのより線がリングスリーブの中に納まる

ダイオードをリングスリーブの中に一緒に入れて。

ケーブルとダイオードがリングスリーブの中に納まる

リングスリーブ用の圧着工具を使って、しっかりと圧着します。

圧着ペンチは電気工事士の試験を受けたことのある方なら持っていると思いますが、使った事がない方が大半ではないでしょうか。

最近はアマゾンでお安く売っているみたいですね。

ケーブルとダイオードをしっかりと圧着

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N/A

misol 15A 45 V ショットキー バリア ダイオード (10本)

電流の入力側

1個のバッテリー(第1バッテリー)だけにダイオードを接続せず、フリーにした状態にします。

こうすることで、充電時はこの第1バッテリーに応じた電圧で充電ができ、使用時はこの第1バッテリーは他のバッテリーを充電しながら負荷側へ電流が流れる形になります。

なので、循環電流は流れません。

ダイオードとチャージコントローラーとの接続は、各ケーブルを管理しやすいように「端子台」を使っています。

そして、充電側のダイオードの発熱はどうかと言うと。ほのかに暖かい程度。

※後日、ホームページの閲覧者様から「チャージコントローラーとバッテリーの間に相互方向のダイオードを接続するのはどうか」というアイデアを頂いたので一か月ほど試してみました。

しかし、この方法は私が使っているMPPT制御方式のチャージコントローラーでは正常なバッテリー電圧を感知できないようで、快晴の日には13.7V(フロート充電電圧)を過ぎても電圧が上昇し続け14Vを超えてしまう。

更にチャージコントローラーの充電電圧よりもバッテリー電圧の方が上昇するという奇妙な現象も起こったので、危険を感じて中止しました。

チャージコントローラーからの入力側にダイオードを挿入

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電流の出力側

バッテリーの出力側にもダイオードを接続しています。

4個のバッテリーからそれぞれ独立して電力を供給する形になっています。

1個のダイオードには最大15Aが流せるので、単純に計算すると最大で合計45Aの電流が流せます。実際は発熱対策をしないと無理ですが…

それとインバーターに接続しているのはVVFケーブルなので、そんな電流は流せませんが。

写真ではダイオードを取り付けたバッテリーからのケーブルは3本しか接続していません。

しかし、1本はダイオードを挿入していないのでケーブルを逆流して他の3個のバッテリーを充電しながら負荷側へ電流が流れています。

なので、どちらでも構わないという訳です。

バッテリーからの出力側

ヒューズの取り付け

チャージコントローラーとバッテリーのプラス端子との間には安全の為にヒューズを取り付けています。

使用しているのは車のヒューズホルダーです。

現在は100Wのソーラパネル一枚だけなので15Aを使っています。

バッテリーのプラス側にヒューズを取り付け

長期に家を留守にする時は、このヒューズを抜いておけばバッテリーがシステムから切り離されるので安全です。

ただし、晴れた日にヒューズを取り付けるとバッテリーとの電圧差が生じて恐ろしいほど火花が上がります!

ソーラーパネルに毛布などを被せて発電を遮断してから接続する事をおススメします。

あと、チャージコントローラーの多くはバッテリーを接続した後にソーラーパネルを接続しないとエラーが発生する場合があり、故障の原因にもなりますので要注意です。

バッテリーに15Aヒューズを設置

全体の配線

ここからは旧回路図から新回路図へ移行するまでの配線方法の遍歴を紹介します。

初期段階のバッテリー並列化配線です。

ダイオードを使ったバッテリーの並列化

第1バッテリー(12.98V)

このバッテリーにはダイオードが接続されていません。

ダイオードを使ったバッテリーの並列化(第1バッテリー)

第2バッテリー(13.09V)

ダイオードを使ったバッテリーの並列化(第2バッテリー)

第3バッテリー(12.97V)

ダイオードを使ったバッテリーの並列化(第3バッテリー)

第4バッテリー(12.73V)

4個のバッテリーはすべて並列接続されていますが、電圧がそれぞれ違うのでダイオードで制御されていることが分かります。

ダイオードを使ったバッテリーの並列化(第4バッテリー)

そして、最後にチャージコントローラーに接続して充電を開始するとダイオードを接続していない第1バッテリー以外は同じ電圧になりました。

ダイオードを使ったバッテリーの並列化で充電中

【2か月後】

後日、普通車用の使用済みバッテリーを知人に頂いたので第5バッテリーとしてダイオードを使用し、並列接続。これで容量が大幅にアップしました。

このようにバッテリーの性能や容量が違っても循環電流は流れないので、バッテリーを使用していない時でも減っていくことはありません。

普通自動車用と軽自動車用バッテリーの並列化

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N/A

エーモン バッテリーターミナル F225

ショート防止の為に脱着が容易なターミナルカバーがあると便利です。

【6か月後】

バッテリーを並列接続してから半年が経過して冬になり、日照時間が短くなってきたので充電効率が落ちてきました。

何故だろう?と色々と調べたところ、あることに気付きました。

今、自分が使用しているチャージコントローラーは充電しているバッテリーの電圧が13.7Vになるとフロート充電に切り替わります。

このバッテリー並列化のシステムでは一つの軽自動車用のバッテリーの電圧に応じて充電をしていました。

ダイオードが接続されていないこの軽自動車用のバッテリーは他のバッテリーと比べて充電効率が良いので、いち早く13.7Vまで電圧が上がります。

すると、他のバッテリーはまだ満充電になっていないのにもかかわらずフロート充電に切り替わってしまうので、充電不足になってしまう事がわかりました。

なので、今までチャージコントローラーと直結していた第1バッテリー(軽自動車用)の代わりに充電に時間がかかると思われる容量の大きな第5バッテリー(乗用車用)を使ってフロート充電になる時間を遅らせて様子をみることにします。

普通自動車用と軽自動車用バッテリーの並列化

【18か月後】

知人にまた軽自動車用のバッテリーをもらったので更に2個追加。

これで7個のバッテリーが並列化されています。

さすがに100Wのソーラーパネル1枚では、なかなか満充電にならなくなってきました。

そして、全てのバッテリーをボックス内に収めるために配置を変えました。

バッテリーを一列に並べて配置している時はプラス端子とマイナス端子の接触の危険はありませんでしたが、今度の配列はその危険があります。

太陽光発電でバッテリーの並列化して18か月後

端子台の台座にコンパネを取り付けて、ケーブルを結束バンドで固定しています。

こうすることで、マイナス端子に誤ってプラス側のケーブルが接触する事を防いでいます。

念の為にバッテリーのプラス側ターミナル端子も絶縁テープで覆いました。

バッテリーの並列化した場合に便利な端子台

バッテリー収納箱を自作

【2年3か月後】

ここで、「夜間は自動で配線をカットするスイッチ」を導入して新回路図でのシステムになりました。

そして、今までバッテリーケースとして使用していた車載用の収納ボックスでは、配線の取り回しが困難でショートの危険性もありました。

元々、廃バッテリーを使ってシステムを組んでいるのでバッテリーの入れ替えをすることも度々あります。

その際に、どれがどの配線だったか迷うことも多い。

なので、バッテリーを管理しやすくメインテナンス性の高い収納コンテナを自作してみました。

コンパネ1枚で作れるバッテリー収納ボックス、使い勝手が良いですよ。

バッテリーの並列化

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このページでは、オフグリッドのソーラー発電を自動車のバッテリーに蓄電して夜間に使用するといった独立型太陽光発電システムの制作について説明しております。

電気を扱うので取り扱いを間違えると火災や火傷などの危険を伴います。自己責任の上、十分ご注意願います。

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